2007年10月30日

悪性リンパ腫

悪性リンパ腫(あくせいりんぱしゅ、ML:Malignant Lymphoma)は、リンパ系組織に由来し全身に発生する悪性腫瘍である。リンパ節に発生するものもリンパ節外に発生するものもあるが、リンパ系は全身組織であるため癌と異なり切除による治療は不可能(但し、腫大による圧迫などを緩和するため姑息手術を行うことはある)。放射線療法および化学療法のみが適応となる。その意味でリンパ系腫瘍は必ず「悪性」であることになるが、日本語の病名としては明示的に「悪性リンパ腫」と呼び習わしている。

悪性リンパ腫という単一の疾患があるわけでなく、多様な疾患の寄せ集めであり、しかもその疾患分類については今でも分類作業が進行中である。少なくとも確実なものとして、ホジキンリンパ腫(Hodgkin's lymphoma,HL、あるいは Hodgkin's disease, HD)と非ホジキンリンパ腫 (non Hodgkin's lymphoma, NHL) がある。ホジキンリンパ腫はおそらく単一な疾患であるが、非ホジキンリンパ腫はその他の疾患の寄せ集めである。欧米ではホジキンリンパ腫が多数を占める為、こういった分類になったと思われるが、日本人の場合は、前者は約10%を占めるに過ぎず、多くは後者である。

悪性リンパ腫は全身に発生するというその性質上、治療を行っても腫瘍細胞が完全に消えたことを証明することはできない。そのため「完治」という表現はせず、腫瘍を検出できなくなった時点で「緩解(寛解)」したと表現する。これは白血病と同様の扱いである。緩解に至っても腫瘍細胞が残存していることがあって再発と緩解を繰り返す例も多く、現在もなお治療は困難な疾患である。

原因はわかっていないが、ウイルス説・カビ説・遺伝説などがある。小児白血病、絨毛癌などと並んで悪性腫瘍の中では比較的抗癌剤が効きやすいとされる。また一般に、悪性度の高いものほど化学療法に対する感受性が強く、緩解に至る確率も高いとされている。

●症状

頸部、鼠径部、腋下などのリンパ節が腫大することが多いが、各臓器に発生するリンパ腫の場合にはレントゲンや内視鏡による検査で発見される場合もある。また全身の倦怠、発熱、盗汗(ねあせ)、体重の減少などがみられる場合もあり、これらの全身症状はB症状と呼ばれる。

進行すると全身の衰弱、DIC、多臓器不全などから死に至る。

●病期分類

リンパ腫の病期分類としては、次のAnn Arbor分類が世界的に用いられている。通常の癌と異なり、0期という分類はない。

I期
1つのリンパ節領域または1つのリンパ組織(脾臓、胸腺、扁桃腺)の病変(I期)、あるいは1つの非リンパ性臓器の限局性病変(IE期)
II期
横隔膜を境にした同側、2つ以上のリンパ節領域にわたる病変(II期)、あるいは1つの非リンパ性臓器への限局性病変を伴う1つ以上のリンパ節領域の病変(IIE期)
III期
横隔膜の両側にわたるリンパ節領域(III期)、リンパ節以外の臓器又は部位の限局的侵襲を伴うもの(IIIE期)、脾臓の侵襲を伴うもの(IIIS期)、その両者を合併しているもの(IIIES期)
IV期
1つ以上のリンパ節以外の臓器又は組織へのびまん性の浸潤で、リンパ節腫大を問わない

●組織学的分類

非ホジキンリンパ腫は、ホジキンリンパ腫に該当しない雑多な疾患の集合であるので世界的に統一された分類というのはなかったが、1999年に発表されたWHO分類が現在有効である。非ホジキンリンパ腫は、B細胞が腫瘍化するか、T細胞あるいはNK細胞が腫瘍化するかによって大きく2つに分類される。前者をB細胞性腫瘍と言い、後者をT/NK細胞性腫瘍と言う。

●関連項目



posted by kamiryu07 at 15:39| Comment(0) | TrackBack(1) | 病名ア行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/63453474

この記事へのトラックバック

病気、症状
Excerpt: 病気、症状での検索結果をマッシュアップ。一語から広がる言葉のポータルサイト。
Weblog: 一語で検索
Tracked: 2007-10-30 22:58